大佐渡スカイラインのヒルクライムは面白い！
ワインディング天国の佐渡は、攻めてみたくなるところがあちこちにある、とくに峠は・・・。
深呼吸したくなる気持ちの良い朝の６時半、スタートラインと決めた新保ダムの横にバイクを止めた。
これから、佐渡郡金井町側大佐渡スカイラインを白雲台ロッジまで、６キロ、８３個のコーナーを攻めるタイムトライアルだ。
直線は、スタートと終わりに近いところのたった２カ所、あとはバイクが直立していることがほとんどないほどのジムカーナ的コース。
バイクは、ＲＺＶ５００Ｒ、２サイクル水冷４気筒、ケニー・ロバーツレプリカ１９８５年型、日本仕様を、メインジェット以外は欧州仕様に、ファイナル・スプロケットを４丁大きくし、タイアを標準より前後ともファットにし、フロントブレーキホースをステンレスメッシュに替えてある。
今朝が挑戦５日目、（ＲＺ２５０Ｒで５日間攻めていたから、タイムアタックとしては１０日目、４０回くらいか）であり、ギア比があまりに合わないため、昨日、ファイナルスプロケットを組み替えてのトライである。
４丁大きくしたということは、一速の最高速度が約１０・５％落ちるから、８５ｋｍ／ｈが７７ｋｍ／ｈに落ち、三つあるヘアピン・コーナーを６０００回転で回れることになるだろう。
しかし、これでも７０％弱のトルクしか使えず、まだハイギア過ぎるのだ。
このバイクを手に入れる前、ＲＺ２５０Ｒで攻めた時は、丁度、トルクカーブの頂点を使えて、加速はタイアの接地能力を超えたのだが、Ｖ型４気筒５００と排気量が倍になったとはいえ、６０００回転に達しないトルクバンドでは２５０より加速が劣った。
そのためにファイナル・スプロケットを大きくしたが、まだハイギア過ぎる。
何故なら、トルクバンドの美味しいところは７５００〜９５００回転なのだから。
だが、これ以上大きくするとドライブ側スプロケットとチェーンの噛み合わせが良くなくなるのだ。
暖気を済ませたエンジンを軽くブリッピング、右手首に巻いたストップウオッチを押し、左手でクラッチを握りギアを一速に入れる、エンジン回転を６０００に上げクラッチをつなぐ、前輪が上がるのを上体を伏せて抑えながらスタート。
今朝一回目のトライである。
短い直線はすぐ終わり、曲がりくねった登りに掛かる。防衛道路と称されるこの道は戦車の走行にも耐えられる頑丈な目地舗装であり、凹凸がある路面だから、タイアが跳ねたりスリップしたりしやすい。
登りに掛かりながら左コーナー、すぐに右コーナー、そして左ブラインドコーナー、また右、と息つく間もないコーナーの連続である。
標高差は８５０メートル位、それを６キロで登るのだから、多くは１１％、急なところで１４％くらいだろう。
コース取りによって逆バンクも何カ所かある。一番長い直線でも１５０メートルくらいか。
したがって、スプロケットを４丁大きくしても三速に入るのは一カ所だけ、それも３秒も入っていない、したがって、最高速は１１０ｋｍ／ｈに届かない。
あとは、一速、二速の頻繁な使い分けであるが、上のギアに入れる方が良いのか、レッドゾーンの１００００回転間際でチェンジせず我慢して待つのがいいのか、迷うところが何カ所かある。
今日は、それを試すのも目的のひとつである。
やがて、一つ目の左ヘアピンコーナーに差しかかる、早朝、観光客もなく、人家のないこの道路は対向車の心配はない。左端から一杯に右に寄ると逆バンクとなる、左に腰を落とし、ブリッピングしてギアを一速に落とす、ターンで一瞬フラットになるがすぐ急勾配、回転計は６０００を指している、時速にして約４５ｋｍ／ｈ、だが、左膝を擦るほど寝かせられる路面状態ではない。
丁寧にスロットルを開けるがやはり反応は鈍い、ハイギアのせいだ、立ち上がりがもどかしいが仕方がない。
次のＳ字コーナーは最初のコーナーを犠牲にし、加速タイミングを早めて可能な限り直線的に抜ける。
やがて、自衛隊の前、約半分来たことになる。
ただ一カ所ある急な下りのボトムで直角に右ターン、ブレーキングポイントを遅らせるのが怖いところである。
フルスロットルで駆け上がってブラインドの右ターン、公道ゆえ、さすがにアウトには寄らず、シフトダウンしてインにぴったりついて立ち上がる。
二つ目のヘアピンコーナーは、また右ターンである。
後輪が跳ねないように注意深く立ち上げ、二速に入れてフルスロットル、次の大きなＳ字は、ちょっと勾配がゆるくなるから鋭く立ち上がる、その先の逆バンク気味の右コーナー向こう側はガードレールがない崖である。
いつも予想外に速度が出ていて、右手を戻すのが遅れ心臓がバタつく箇所である。
あとコーナー５つというところで、左直角コーナーをこなすと、もっとも長い直線、唯一三速に入るところだが、それも一瞬で一速まで落とし、最後の急勾配左ヘアピンの逆バンクをスロットルを開けるとゴールの白雲台である。
駐車場に飛び込んで右手のストップウオッチを押す。
５分５１秒。平均時速６１・５４ｋｍ／ｈ。
下りはゆっくりと、目地舗装に前輪を取られぬようスタート地点に戻る。
この日、自衛隊員の出勤する７時半までの一時間で４往復し、５分４８秒まで詰まった。
次の日、ギアをシフトアップするか、我慢するかを試して５分４５秒、６２・６１ｋｍ／ｈまで詰め、これ以上は、コースアウト、崖下転落を予感して攻めるのをやめた。
ちなみに、ＲＺ２５０Ｒのベストタイムは５分５２秒。
倍の排気量なのに、たった７秒しか違わないのも、最高速が１１０ｋｍ／ｈにも達しないコースとギアが合わないせいであろう。
ＳＲ５００は６０００回転迄に抑えて６分１８秒、セロウは測っていないが同じくらいか。
彼らは、相川側から登るのが向いている。
無論、ケニー・ロバーツ・シニアだったら、５分に迫るに違いない。
というところで、昼寝から覚めたような気がするが、それにしちゃ肩や首が凝ってるな。(^〜^)