佐渡経済の現状と自立経済へ向けて　マクロとミクロは違う

２００１年度、佐渡法人所得ランキング（申告所得４０００万円以上）
申告利益４０００万円以上法人について、最近３年間と１０年前を比べてみた。

　２００１年度の佐渡は、前年３６社が２６社と１０社減、７２・２％。金額では、４９億１８００万円、９１・８％、となっており、より結果が明らか。
特に、携帯電話部品で繁忙なサンアローグループ（テクノサド、サンアロー化成、ビッグバーン、丸金商事）が、そのうちの約半分を稼いでおり、島外交易で気を吐いている。一方、観光、土木建築業関連の落ち込みは著しい。
ただ、島外交易で生き抜いているのが、２６社中、サンアロー系４社、及び佐渡精密、ピーシーエヌ、北雪とたった７社なのは寂しい。
１９９９年度から３年間を見ると、更に、傾向は判然としている。
サンアローグループは右肩上がりの好調を示し、土木建設業数社が圏外へ去り、最大手地場企業の佐渡汽船もまた去った。

　１０年前のいわゆるバブル期と比較すると新旧交替は更に激しい。
しかし、これを景気のせいといっては,対策が建つまい。
個別の問題、、やり方の問題と捉えなければ、個別、具体的な対策は建たない。
佐渡に向くビジネスとは、佐渡に備わった利点を活かした一次産業関連に目を向けるべきではなかろうか。
創意工夫は、その利点によって更に活かされるのではなかろうか。

期間＝２０００年以後は１月〜１２月期、　１９９９年以前は４月〜翌年３月期、　単位千円

注１、テクノサド全県３１位、北雪酒造１２４８位。
新潟県全体では、１２７２社と前年比５４社（９５・９％）の減だが、申告金額約２８４３億円、約５０億円増（１０１・７％）となっており、優勝劣敗が鮮明になっているともいえる。
２００１年新潟県公示社数１２７２社。２０００年、１３２６社。１９９９年、１３１６社。１９９８年、１２６９社。１９９０年、１９９６社。１９８９年、１８５２社。
注２、＊は決算期変更年換算
＊参考、２０００年ランキングには以下の企業が入っていた。佐渡汽船（１９）、根岸組（２２）、司精研（２３）、堂谷組（２４）、真野建設興業（２５）、佐渡急送（２６）、ハッピーステーション（２７）、渡啓組（２９）、入川砕石（３０）、丸二砕石（３１）、等が載っていた。
＊平成２年までは、期間が０２／４〜０３／３。

＊上表２７社以外で１９９０年ランキングに入っていた企業。ワールド開発（５）、ゴールデン佐渡（７）、広栄興業（８）、共栄建設工業（１２）、佐渡汽船運輸（１３）、伊藤建設（１４）、堂谷組（１７）、羽茂農協（１８）、国府証券（１９）、加茂水産（２５）、精電舎（２６）、ムラタ興業（２７）、佐渡急送（２８）、岩崎建設（２９）、真野農協（３１）、佐渡大商（３２）、尖閣湾揚島観光（３３）、朱鷺の郷（３４）、小木観光（３５）、尾畑酒造（３６）。
＊佐渡農協１１年度以後は合併後の数字。
＊佐渡汽船は、佐渡汽船運輸と別会計。

＊　参考
２００４年度ランキング　２００３年度ランキング　２００２年度ランキング

佐渡産業シェアの実態
建設業、２０・５
政府サービス生産、１８・７（行政サービス）
サービス業、１５・５
金融保険、不動産業、１０・２
製造業、９・０
卸売り・小売、７・３
運輸・通信、５・５
対家計非営利サービス、５・０（学校，病院）
農業、４・２
電気・ガス・水道業、２・０
水産業、１・７
林業、０・３
鉱業、０・１
計１００％
新潟県統計課「新潟県市町村所得」より、Ｈ１０年度佐渡圏市町村純生産構成比。

　また、観光業についてはサービス産業、運輸、通信業に入っており、単独では分かりません。
８６年のデータでは６・１％という数字がありますが、今は、もっと低いと思われます。

＊　佐渡産業シェアの実態と住民の認識の差が、あまりに甚だしいのでご案内です。
島内住民アンケートとの比較（広域圏組合実施、平成１３年実施）の認識と実態の違い（前の数字がアンケートによる認識）
農林水産業、６９・３％に対し６・２％、
建設業、６・３％に対し２０・５％、
工業、製造業、３・２％に対し９・０％

　加えて、政府サービス生産、１８・７（行政サービス）、対家計非営利サービス、５・０（学校，病院）等のシェアについては全く認識されていません。
尚、行政予算の７９％は補助金であり、農業収入の４割は年金、仕送りという実態がある。
全産業トータルでは、補助金の占める比率が２／３に及ぶのではないかと推定される。
この認識で、佐渡の将来図、対策がなされつつあるということが問題です。
　しかも、補助金行政は、無い袖を振れぬため自立自助へと転換を余儀なくされており、わが国の公共事業は、欧米の３倍、離島振興費の１５％を占めている佐渡は最も影響されると思われる。

更に参考
１０市町村。人口７万２千人（２００２年）。面積８５４・８キロ�u。一周、２６４ｋｍ
米を住民分の１０倍近く作り、１０００ｍを超える山脈もあり、＜岩魚が釣れるところから海が見え、リンゴの南限、ミカンの北限＞、日本一自然豊かで、日本古来の文化を伝える島である。

　以上から、やはり、マクロ(一般論）とミクロ（個別論）は違うと云わざるを得ない。
したがって、個別対策の必要不可欠を物語っており、佐渡は一次産業ビジネスが向いている所以であります。

２００２年１１月、かねてより、継続可能な社会運動に重ね、佐渡の自立的活性化に向けた有機農業普及活動として、「土の会・ときめき佐渡」の活動を開始しました。
当会は、資源リサイクル有機堆肥製造から始まり、それによる産物の島外交易振興を目指し、佐渡の自立的経済活性化を目的とするものであります。

以上　０３／２／２７

亀井省吾　泰研究所代表
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組織を活性化する　泰研究所
http://homepage1.nifty.com/kameis/
佐渡旅情報「佐渡ヶ島悠遊」
http://homepage2.nifty.com/sadogashima/
NPO「土の会・トキメキ佐渡」
http://homepage2.nifty.com/sadogashima/ranking.htm
佐渡の将来を考えるＭＬ「わたしたちの佐渡」
http://www.freeml.com/ctrl/html/MLInfoForm/sadogashima@freeml.com

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